2023年度公募 seeds-4718 - 【中部】 セルロース成分100%のエステル系高分子素材の開発
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VISION

ビジョン

炭素素材のカーボンニュートラルを実現したい

原料も製造プロセスでもカーボンニュートラルを実現した高分子素材を創生し、豊かな炭素社会の持続に貢献

高分子素材により我々の生活は非常に豊かになりました。この先も継続的な新素材の開発が求められる一方で、これまでに石油に頼っていた原料・製造プロセスの環境負荷低減が求められています。セルロースは地球上で最も量の多い自然原料であり、綿などの繊維として古来より利用される高分子素材です。今回の研究テーマでは、セルロースエステルという素材を対象としてます。セルロースエステルはセルロースとカルボン酸を結合し製造します。このカルボン酸を石油由来から自然原料に置き換えることと、両者を結合させる際の結合剤(糊)の利用を回避するにより、環境負荷低減を目指します。

USE CASE

最終用途例

フィルム、繊維、成形体のプラスチックなど多様な用途展開が期待されます

USE CASE 01自然由来成分が最高100%の今までにない高分子素材です

APPLICATION

APPLICATION

既存のセルロースエステル素材は眼鏡フレームや衣類などで利用

現在工業生産されている種類のセルロースエステルは、身近なところでは眼鏡フレームや衣類などで利用されています。今回開発する素材も同様の応用が期待されますが、それ以外の特有の用途も探究していきます。

STRENGTHS

強み

製品原料と製造時の結合剤も全て自然成分から賄い、素材のライフサイクルでの温室効果ガス排出量を抑えます

STRENGTHS 01

製品原料のうちのカルボン酸をセルロースから合成します

カーボンニュートラルの観点から製品中の原料を100%自然由来成分とすることが理想的です。セルロースエステル素材においても100%のものはありますが、カルボン酸をセルロース以外の原料(リグニンや脂質など)から製造していました。本技術では、カルボン酸をセルロースそのものから製造します。

STRENGTHS 02

製造工程から結合剤をなくします

セルロースとカルボン酸の結合に必要なエネルギーを、セルロースからカルボン酸への変換の際に発生するエネルギーから賄い、結合剤の利用の回避を目指します。結合剤成分は、最終製品に組み入れられることはなく廃棄物となるため、製造プロセスの環境負荷低減に直結します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

セルロースから製造したカルボン酸を他の有機分子に原子利用効率よく結合させる反応条件を新たに開発

TECHNOLOGY 01

縮合剤の外部添加なしにエステル化します

セルロース由来カルボン酸を、縮合剤(結合剤)のような当量の外部活性化剤の添加なしに、他の有機分子に効率的に結合させる技術ノウハウを持っています。今回の研究テーマでは、カルボン酸の結合相手にセルロースを用います。既存の類似技術では、カルボン酸に対する結合相手は溶媒量を必要としていたため、結合方法としては効率的ではありませんでした。

PRESENTATION

共同研究仮説

新たなバイオマス高分子素材をお探しの方や、バイオマス産廃を使って新しいことを検討したい方へ

共同研究仮説01

新規セルロースエステル素材の特定用途に向けた物性改良をします

ニーズに応える素材を見出す・創り出す

各ユーザー企業様が求める物性に沿った素材開発を行います。その擦り合わせのための共同研究を行いたいと考えています。

共同研究仮説02

お手持ちの多糖を用いて新規セルロースエステル素材を創出します

シーズを基に新たな素材を創り出す

セルロースに限らず多糖であれば、今回の提案とは異なる別の新素材を製造/評価をすることが可能です。現在産廃処理などを行っている多糖類の利活用を検討している企業様がいれば、まずはサンプルの合成と物性評価を目的とした共同研究を行いたいと考えています。

RESEARCHER

研究者

松本 拓也 国立大学法人金沢大学 医薬保健研究域薬学系 助教
経歴

・2016年3月 東京大学大学院薬学系研究科 修了 博士(薬科学)
・2016年4月-2020年10月 民間企業にてバイオリファイナリー分野の事業開発
・2020年11月 現職

研究者からのメッセージ

"脱"炭素社会ではなく、豊かな炭素社会の持続を目指しませんか?

アカデミアでの精密有機合成化学分野の研究開発経験と、企業でのバイオリファイナリー分野の事業開発経験を基に、今回の研究テーマによって持続可能社会の実現に少しでも貢献したいと思っています。
企業研究者として大学との共同研究をマネージメントしたこともあります。お気軽にお声掛けください。