2021年度公募 seeds-1983 - 【中国・四国】 構造物の設計・施工におけるダークデータの有効活用
  • 建設・不動産
  • 数理・物理
  • 情報
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

建設業界で活用されず蓄積されていくデータの有効活用を目指して

データの可視化・構造化

ダークデータを有効活用するためには,単に過去のデータをデータベース化するだけでは不十分であり,利用目的に合った利活用を行うための「前処理」「解析」「構造化」を行う必要があります.しかしながら,土木分野における(ダーク)データは、画像のようなデジタルデータとは異なり,非常に扱いにくいことが知られています.データの特性に合わせた適切なデータ解析・前処理により,データの有効活用を最大化します.

データの活用支援システム

ベイズの定理に基づいたデータの活用システムを2つのアプローチから構築します.
a. データ駆動型アプローチ:利用可能なデータのみからモデルを構築し,新たなデータを得るごとにベイズ更新し、構造物の信頼性設計や,構造物の挙動の将来予測を行う.
b. データ同化型アプローチ:利用可能なデータに加え,数理モデル・シミュレーションモデルを用いる.新たなデータを得るごとに数理モデルをベイズ更新し,構造物のリスク評価や確率的予測を行う.

USE CASE

最終用途例

構造物の合理的な設計・施工に応用可能

USE CASE 01構造物の信頼性設計

APPLICATION

APPLICATION

設計における不確定性を「確率」を用いて定量化し,より合理的な意思決定のための情報を提供します.

提案手法はベイズの定理に基づいており,種々の不確定性は確率の形で明示的にモデル化されます.この特徴を利用することで,構造物の設計において標準的になりつつある信頼性設計を実現することができます.また,データの質や量が設計結果に及ぼす影響を評価することができ,提案手法の利用によりフレキシブルな設計が可能となります.

USE CASE 02線状構造物の観測施工

APPLICATION

APPLICATION

逐次得られる情報によって,安全で経済的な線状構造物の設計・施工を支援します

道路盛土やトンネルなどの線状構造物はデータが逐次的に得られるため,理想的には,それらのデータを次の区間の設計・施工に生かすことが理想的である.提案技術により,すべてのデータを統一的に扱うことが可能となり,合理的な設計・施工をサポートします.

STRENGTHS

強み

データを実設計・施工に役立てる

STRENGTHS 01

データベースを構築し,データの可視化・構造化するだけでなく,それらの応用までを一貫してサポート

地盤や岩盤データを対象としたデータベースの構築・データの構造化に関する研究開発は実施されているものの,構造化したデータを実務にどのように活用するかを検討した「応用まで踏み込んだ」研究開発は実施されておらず,そこが本開発の強みだと言えます.

TECHNOLOGY

テクノロジー

扱いにくいデータを適切に処理

TECHNOLOGY 01

扱いにくいMUSICデータを適切に処理し,設計施工に有効活用

地盤工学分野のデータは極めて扱いにくいとされ,その理由として,1)扱うデータが多変量であること(Multivariate)、2)データのばらつきが大きいこと(Uncertain),3) 取得できるデータの数が(空間的に)少ないこと(Sparse),4)連続なデータであってもよく欠損があること(InComplete)が指摘されています.提案手法では,このMUSIC特性を適切に処理することが可能です.

PRESENTATION

共同研究仮説

Data is new oil

共同研究仮説01

「データ」を「資源」と感じてもらえるような方法論の提供

Data is new oilと言われていますが,建設・土木業界ではデータの重要性が十分に認識されていないと感じることがあります.Dataによって実務の効率化・合理化が可能であることを体感してもらえるようがんばります.

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

珠玖隆行 岡山大学学術研究院・環境生命科学学域
経歴

2007年4月-2011年9月 株式会社大本組土木本部設計部
2011年10月-2016年9月 岡山大学大学院 助教
2016年10月-2021年3月 岡山大学大学院 准教授
2021年-現在      岡山大学学術研究院 准教授

研究者からのメッセージ

データに基づく合理的な意思決定をサポートします.

土木工学は「経験工学」と呼ばれ,その分野の特性から,技術者や研究者の経験や蓄積されたノウハウに基づいて発展してきた側面があります.土木工学で蓄積された「経験」と,データ解析による客観的で新しい視点を組合せた合理的な意思決定の実現をサポートするため,研究を行っています.