2021年度公募 seeds-1384 - 【関東】 新しい時効硬化型マグネシウム押出材の創製 -高性能と高耐食性の同時実現-
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VISION

ビジョン

自動車の軽量化に資するマグネシウム合金開発-カーボンニュートラルの実現に向けて-

マグネシウム合金の押出し加工性、高強度、高耐食性を同時に実現します

マグネシウムは、鉄やアルミニウムよりも軽く、自動車の大幅な軽量化を可能とする次世代の金属材料として期待されています。車体部品としてマグネシウムを利用するにあたり、押出し材や圧延材などの展伸材が必要とされていますが、一方で、マグネシウムには、 高速押出しができない、強度異方性が存在する(押出材の場合は、圧縮特性が低い)、エネルギー吸収能が低い、腐食しやすいという欠点があり、輸送機器の構造部材として汎用的に使うことは困難と考えられていました。本提案では、上記の欠点を同時に解決する新しいマグネシウム合金開発を行います。合金開発を加速するために、数値計算も援用しながら、高速押出し可能で、ナノスケール整合析出物(Guinier Prestonゾーン)によって大きな時効硬化も示す材料を提案し、ラボレベル押出し実験による実証研究を実施します。また、異方性の解消や靭性、耐食性の改善を目的として、集合組織や化合物の分散状況にも注目した組織制御を進め、結晶塑性シミュレーションや機械学習も活用しつつ、特性発現メカニズム解明および組織制御指針確立も行います。

USE CASE

最終用途例

自動車の車体部品として幅広く使える易加工性マグネシウム合金押出し材

USE CASE 01優れた強度・靭性・耐食性を同時に実現

APPLICATION

APPLICATION

自動車の衝撃吸収部材、ビーム材への応用を目指して

自動車の衝撃吸収部材やビーム材には、曲げ強度やエネルギー吸収能、耐食性が必要とされており、また、低コスト化を目的として、高速での押出し加工も求められています。これらを同時に実現し、マグネシウム合金の実用化促進を目指します。

STRENGTHS

強み

安価に製造できるGuinier Prestonゾーン分散型・高強度マグネシウム合金

STRENGTHS 01

既存マグネシウム合金の2倍以上の押出し速度

一般的な展伸用マグネシウム合金は、押出し加工性が低く、製造コスト高につながります。そこで、既存合金の2倍以上の速度(押出し速度:20m/min以上)で押出し可能な新しい材料を提案し、マグネシウム合金の広範な普及を目指します。

STRENGTHS 02

ナノスケール整合析出物を用いた強度と靭性の同時実現

金属材料の強度と靭性はトレードオフの関係にありますが、ナノスケール整合析出物(Guinier Prestonゾーン)を用いることで破断ひずみを劣化させずに大きな強度アップが可能であるため、強度と靭性を両立できると期待されます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

データ科学と実証研究の融合による合金設計・組織設計指針構築の加速

TECHNOLOGY 01

熱力学計算、結晶塑性シミュレーション、機械学習の援用

熱力学計算による組織予測を行い、目的とする材料提案を加速します。また、結晶塑性シミュレーションや機械学習を活用することで、いまだ詳細な関係が明らかとなっていないマグネシウム合金のプロセス-組織-特性の関係解明を進めます。

PRESENTATION

共同研究仮説

低炭素社会の実現に資する軽量金属材料を開発しませんか

共同研究仮説01

輸送機器の抜本的な軽量化を可能とするマグネシウム合金

御社の製品開発に必要な展伸用マグネシウム合金の高性能化・高機能化を達成するための最適プロセスを提案します。長岡技術科学大学・先端軽金属材料研究室には、モノづくり~組織解析・特性評価まで一貫して実施する研究設備があり、予備的な検討を短期間で実施することが出来ます。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

中田 大貴 長岡技術科学大学 先端軽金属材料研究室
経歴

2015年4月-2017年2月 日本学術振興会特別研究員 DC1

2017年3月-2021年1月 長岡技術科学大学 機械創造工学専攻 助教

2021年2月- 長岡技術科学大学 産学融合トップランナー養成センター 産学融合特任講師

[受賞歴]

2020年11月    軽金属学会最優秀希望の星賞

2019年6月         日本マグネシウム協会賞奨励賞

2018年3月         学生表彰 (長岡技術科学大学、学業・研究活動において、特に顕著な業績を挙げたと認められる者)

2015年6月         Best Poster Award, The 4th International GIGAKU Conference in Nagaoka (4th IGCN)

2014年3月         第6回 軽金属学会 希望の星賞

2014年3月         第22回 日本金属学会・鉄鋼協会 奨学賞

投稿論文、産業財産権に関する情報等もwebで公開中

[個人ページ、研究室ホームページ]

https://researchmap.jp/7000022301

https://mcweb.nagaokaut.ac.jp/~mgcenter/

研究者からのメッセージ

高性能マグネシウム合金開発で、低炭素社会の実現に貢献したい

マグネシウム合金は、構造用材料の中で最も軽い金属ですが、解決すべき課題が多く、強度や靭性、耐食性が必要な部材には未だ利用されていません。押出し加工および圧延加工に関する様々な知見を活かして、マグネシウム合金の普及を促進する基礎・実用化研究に従事できれば幸いです。