マグネシウム合金の押出し加工性、高強度、高耐食性を同時に実現します
マグネシウムは、鉄やアルミニウムよりも軽く、自動車の大幅な軽量化を可能とする次世代の金属材料として期待されています。車体部品としてマグネシウムを利用するにあたり、押出し材や圧延材などの展伸材が必要とされていますが、一方で、マグネシウムには、 高速押出しができない、強度異方性が存在する(押出材の場合は、圧縮特性が低い)、エネルギー吸収能が低い、腐食しやすいという欠点があり、輸送機器の構造部材として汎用的に使うことは困難と考えられていました。本提案では、上記の欠点を同時に解決する新しいマグネシウム合金開発を行います。合金開発を加速するために、数値計算も援用しながら、高速押出し可能で、ナノスケール整合析出物(Guinier Prestonゾーン)によって大きな時効硬化も示す材料を提案し、ラボレベル押出し実験による実証研究を実施します。また、異方性の解消や靭性、耐食性の改善を目的として、集合組織や化合物の分散状況にも注目した組織制御を進め、結晶塑性シミュレーションや機械学習も活用しつつ、特性発現メカニズム解明および組織制御指針確立も行います。